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医師の転職理由とアルバイトの現状
一般的に医師が転職を考え始める年齢は、医師として勤務し始めてから、およそ10年から14年目あたりが最も多いそうです。年齢で言うと、30代半ばから40代の始めにかけてですね。
この年代の医師のだいたい6割以上が転職を考えていると言われています。
医師が転職を決意する理由はそのドクターによって様々です。
最も多い理由がやはり「年収に対する不満」です。
次が「時間的な余裕が欲しいから」で、家族サービスなどに時間を取りたいためです。
そして3番目には、意外な理由が挙げられています。
それは、「思うような医療ができないため」だと言うのです。
おそらく、同じ診療科目でも治療方針や患者に対するサービス等は病院によって違いが大きいのでしょう。また、自分の考え方と病院の意向が一致しないこともあるでしょう。そのうちに、できるだけ価値観の合う病院で働きたいと考えるようになるのかもしれません。
このような転職理由から、多くの医師が単に業務に追われているだけではなく、理想を掲げて医療に取り組んでいることが分かります。
医師のアルバイト事情
さて、ここからは医師のアルバイト(非常勤)についてです。
まず、日本では医療の地域間格差がとても大きいです。
転職の実態においても地域間に差があることが分かりました。
というのも、求人数は都市部が圧倒的に多いのが現状です。
現状、地方での勤務を希望する医師は求人を探すのに苦労するのかもしれません。
また、現在多くの医師がアルバイト(非常勤)をしています。
その背景には常勤の給与だけでは生活できない現実があるようです。
空いた時間を有効に使い収入を増やす手段として、非常勤勤務をお考えの先生も多いそう。
また、収入を増やす目的だけではなく、将来のために症例を積み重ねたり、新たな領域に挑戦したり、 人脈を広げたりと、非常勤勤務の活用法は多岐にわたります。
非常勤(アルバイト)勤務のメリット
非常勤(アルバイト)勤務はさまざまなメリットがあります。
そのメリットを順番に見ていきましょう。
ワークライフバランスがとりやすい
一番のメリットは、ワークライフバランスがとりやすいことです。
非常勤の場合、勤務日や勤務時間を柔軟に選ぶことが出来ます。
勤務日に関しては毎週、隔週、月1回など、勤務時間に関しては日勤、当直に加えて、午前中のみ、午後のみの半日勤務、夕診・夜診など、 さまざまな選択肢の中から自分の希望する曜日、時間帯に勤務できることが、非常勤ならではのメリットといえます。
精神的・体力的ストレスが少ない
次に、精神的・体力的ストレスが少ないというメリットがあります。
非常勤(アルバイト)勤務は、急患で夜中に呼び出されることや電話がかかってくるもないので、精神的・体力的に負担を軽減できます。
また基本的には人間関係のストレスフリーで働けるのが魅力です。
今より収入がアップする
当然ながら、空いた時間を非常勤に使うことで、今よりも収入が増えます。
常勤、非常勤と2つの形態の職をかけもちしている分、収入はアップが見込めます。
今や医師の働き方は、常勤だけでなく、非常勤との掛け持ちをする方が金銭面でのメリットが大きいと言えます。
スキルアップ(常勤先では経験できない症例を扱える)
認定医を取得するため、症例数を増やすためにアルバイトをする人も多いです。
医療機関によっては扱う症例に偏りがあります。もし、常勤先で扱えない症例があれば、さまざまな臨床経験を積むことができるアルバイトを、選択肢に入れるのもひとつの方法です。
これらのメリットがあるため、現在アルバイトをする医師が増えているのです。
では逆に、非常勤(アルバイト)勤務のデメリットを見ていきましょう。
◆非常勤(アルバイト)勤務のデメリット
常勤医師として雇用保険や健康保険等に加入する場合とは自己負担額が大きく変わります。
扶養家族の保険も個人加入となります。非常勤勤務のみで生計を立てている方は、 確定申告にまつわる事務手続きを個人でしなければならず、手間がかかります。 また、非常勤先の福利厚生の利用が限られたりするケースもあります。 例えば託児所は、常勤の医師やコメディカルが優先となり非常勤だと利用できないこともあります。 入職時の契約次第では、有給休暇などがとれないこともあるようです。