現在、常勤の医師の仕事に加え、アルバイトの仕事をしている医師の割合は、年代や性別に関わらず、6割に近いと言われています。どうして非常勤アルバイトをする医師が増えているのか、今回は医師のアルバイト事情を掘り下げます。
アルバイトを兼務する医師が増える理由
常勤医としての本業とアルバイトを兼務する医師の割合は驚くほど高いと言えます。
医療従事者専門の情報サイト「日経メディカルオンライン」が会員の医師を対象にアンケートを実施(有効回答数1,021人)したところ、58.7%の医師が「アルバイトをしている」と回答しています。また大学病院の勤務医に限定すると、94.8%がバイトをしているという現状があります。
このように多くの医師が、アルバイトを兼業する理由は、年収や待遇に対する不満からです。
業務内容や時間帯によっては医師の時給は1万円~1.5万円の非常勤アルバイトも珍しくない為、体力のある医師ならば非常勤アルバイトでも相当の年収の上積みが可能です。
また、女性医師の場合、出産後の復職としてアルバイトをするケースもありますし、
開業医になるために、資金を貯める目的でバイトをする医師もいます。
最近では、決まった病院に勤務せずに、アルバイトやフリーとして働き続けている人もいるそうです。多様な働き方を選択する事ができるというメリットから、こうした医師も増えているようです。
年代別、地域別に見る医師のアルバイト事情
では、年代別に見てみましょう。
医師免許取得後最初の2年間は、基本的にアルバイトを行うことができません。
しかし、3年目から5年目の医師について調べてみるとおよそ78%、実に8割近い医師が、常勤の仕事と同時にアルバイトもこなしているのです。その後年数が上がるに従って、アルバイトを兼務する医師の割合は下がります。
また、アルバイトを行っている医師は常勤の勤務医だけではありません。
開業医の中にもアルバイトを兼務している人がいて、その割合は約2割ほどであると言われています。理由は先ほどお話したとおり、資金を貯める目的が一番のようです。
バイトをする医師の割合は地域で差がある
アルバイトを兼務する医師の割合は地域によってもかなり数字にばらつきがあります。
最もアルバイトを兼務している割合が多いのは沖縄県で、約68%。
逆に最もアルバイトの兼務率が低いのは、徳島、香川、愛媛、高知の四国地方で、25%。
茨城、群馬、栃木、山梨の関東近県や、千葉、埼玉、東京、神奈川の首都圏、
愛知、静岡、岐阜、三重の東海地方はいずれも62%から63%となっています。
地域によって、医師のアルバイトの実態には大きな違いがあることが分かります。
群馬と長野は隣どうしですが、医師のアルバイトの兼業率はずいぶん差があります。
群馬の63%に対して、長野、新潟の信越地方は28.6%と言う結果が出ています。
もちろん地域ごとに、人口に対する病院の数が違うのが理由のひとつです。
このように、アルバイトの求人数やアルバイトに対する意識にも、地域によって違いや差があることがわかります。
医師のアルバイトまとめ
いかがでしたでしょうか。
現在、常勤とは別に、副業として他の医療施設でアルバイトをする医師も少なくありません。
医師のアルバイトは単なるアルバイトとは桁が違い、時給1万円や日給3万円~10万円など相当な高給で、週に1日としても相当な金額になります。
年収を増やしたい医師にとって、勤務医以外の仕事を増やすことは、常勤先での業務時間を増やすよりも効率が高くなるケースが多いのかも知れません。